お菓子屋のポポロ-1
2020年6月12日
2020年10月29日
「いいにおいがするなぁ…」
犬のポポロは、おなかがすいてたまりませんでした。
1ヶ月前まではご主人にかわいがられていたのに、とつぜん、団地にひっこしがきまったといって、ポポロをおいて、出ていってしまったのです。
ご主人の家にいたころは、奥さんが毎日のように、ふわふわの白いからだにブラシをかけてくれました。でも、今ではすっかりよごれています。
食べものだって、自分でさがさなくてはいけません。けれどもポポロは、どうやって見つけたらいいかわかりませんでした。ごはんというものは、おなかがすくとでてくるものだと思っていましたから。
なのに、よその家へ行っても、お店へ入っても、ごはんをくれるところはありません。それどころか、「うるさい」と言って、おいはらわれてしまうのです。
そんなわけでポポロは、もう何日もなにも食べていませんでした。たおれそうになるのを必死にこらえて歩いても、なにももらえませんでした。
「ああ、最後に食べたおにくのあじがわすれられないよ」
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