お菓子屋のポポロ-10
2020年7月13日
2020年11月1日
「よし、キャンディーに名前をつけるとするか。どんなのがいいかな。なんだか、心がうきうき、わくわく、とびはねたくなるような、楽しい名前がいいな。そう、スキップしたくなるような……」
「おじいさん、なぁに? そのスチップって」
ポポロがいうと、おじいさんは笑いました。
「スチップじゃないよ。スキップ…」
言いかけて、おじいさんは、
「いいや、そのままでいい。スチップキャンディーだ。これに決めたぞ、ポポロ」
おじいさんは満足そうにうなずきました。
ポポロにとって、久しぶりの楽しい時間でした。それはおじいさんにとっても同じことでした。こんなにはりきってお菓子を作るのは何年ぶりのことでしょう。いつのまにかす
っかり仲良くなった二人は、時間のたつのも忘れていました。
スチップキャンディーができあがると、二人で試食です。
「あ、オレンジの味だよね、これ!」
「ああ、そうさ。おいしいかい?ポポロ」
おじいさんは、若いころのようにはりきっていました。
ポポロを見ていると、ふしぎとカがわいてくるような気がしました。