お菓子屋のポポロ-11
2020年7月17日
2021年2月3日
あたらしいキャンディーができたお祝いに『お菓子の国』のお店の看板も新しくとりかえました。そこには、
『お菓子屋のポポロ』
の文字がありました。
もう、ポポロのいない暮らしなんて考えられないおじいさんは、思い切って店の名前までかえてしまったのでした。
「よし、これからもっとスチップキャンディーを作るぞ!」
「おじいさんったらはりきっちゃって」
ポポロとおじいさんは、いつまでも仲良くお菓子を作りました。
「ふう、少しつかれたな」
トントンと腰をたたきながら、おじいさんはよっこらしょと立ち上がりました。
「そうだポポロ、すまないがしばらくのあいだ店番しててくれないか。なにかおいしい果物でも買ってきて、ひとやすみしよう」
(どうせお客さんはこないんだ。少しくらいなら店をあけたってかまわない。)
おじいさんはそう思うと、また少し淋しくなりました。
それでも、ポポロの前では無理して笑ってみせました。
「そうだ、ボクが買ってくるからまっててよ、おじいさん」
ポポロはあわてて、お菓子だらけの体をきれいになめていいました。