お菓子屋のポポロ-15

おじいさんは目を丸くしました。まだ夢を見ているのかと思ったくらいです。
「これって、オレンジの香りがするんですってね」
女の人はそう言いながら、三つも買っていきました。
次に、買い物帰りかいものがえりの奥さんが、
「かわいい犬の店員さんがいるんでしょ?」
と、五つ買いました。
「スチップって楽しそう」
と言って、買っていく人もいました。

次の日も、また次の日も、スチップキャンディーはどんどん売れていくのです。
あるときは一箱も注文がきて、一粒ずつ手作りをするやり方では、とても作るのが間に合わないほどでした。
おじいさんは、どうしたことかと首をかしげるばかりです。
それもそのはず。
おじいさんは何の広告もだしていないのですから。
だいたい『スチップキャンディー』という名前さえ、まだ犬のポポロにしか話していないはずなのです。
それなのに、次から次に売れるなんて…….。
(きっとポポロだ。ポポロがみんなに言ってくれたんだ。そうか、うちの店があんまりはやっていないものだから、同情したんだな。あいつ、いいとこあるよなあ)

 





eguchi
  • eguchi
  • 子どものころから30年間趣味で、動物が出てくる童話を書いている。2020年に動画をきっかけにブログを始める。
    猫大好き!子どもとネコカフェやカラオケに行くのが楽しみ。