お菓子屋のポポロ-16

お客さんがいなくなったところで、おじいさんはポポロにそっとたずねました。
「なぁ、ポポロや。おまえいったい、何人の人にスチップキャンディーを宣伝してきたんだい?」
するとポポロは、
「一人だよ。テレビ局の記者のおじさん。あ、あと、カメラマンの人とスタッフさんたち入れれば、もっといるかな」
「テレビ局? カメラマンとスタッフだって? それはいったいどういうことだね?」
おじいさんは目を丸くしました。
そこでポポロは、あの日、買い物の帰りに記者にインタビューされたことを話しました。
「だって、町で人気のお菓子屋さんって聞かれたものだから。ボク、話したんだよ。おじいさんは優しくて、ペットにも親切で、お客さんのリクエストを聞いて新しいお菓子を作ってくれるって」

おじいさんは、テレビ局の記者が、本当は
『お菓子屋ポポロ』
の取材にきたのではないことに気づきました。
それにポポロが「おじいさんの店がはやっている」と思いこんでいたことにも。
でも、あえて口にしませんでした。
その、とてもすばらしい「かんちがい」のおかげで、またお客さんがきてくれるようになったのですから。

「ポポロ。おまえはたいした犬だなあ」
おじいさんはポポロをぎゅっとだきしめました。



eguchi
  • eguchi
  • 子どものころから30年間趣味で、動物が出てくる童話を書いている。2020年に動画をきっかけにブログを始める。
    猫大好き!子どもとネコカフェやカラオケに行くのが楽しみ。