お菓子屋のポポロ-20

パティシエは、またニヤリと笑いました。
すぐとなりには、週刊誌の記者が立っていました。

それからしばらくして、どういうわけかおじいさんのお店「お菓子屋のポポロ」では、スチップキャンディーがまったく売れなくなってしまったのです。
おじいさんはすっかりおちこんでしまいました。
それでも、かわいいポポロに心配をかけたくないと、元気にキャンディーをつくりました。

けれど、とうとうスチップキャンディーが売れなくなった理由が分かったのです。

ポポロがいつものように、スチップキャンディーをつくっていると、

「なぁ、ポポロ。しばらくのあいだ、スチップキャンディーをつくるのやめようか。」
とおじいさんが言ったのです。

「え? どうして?」
ポポロはおどろいて、おじいさんを見ました。
「みんな、目の前の大きなデパートでお菓子を買うようになっただろう。きっとここよりずっとおいしいのがたくさんあるんだろうな。ポポロもデパートに遊びに行きたいんじゃないか? 行きたかったら、行ってきてもいいんだよ。そうだ、もうここでやめようか」
そう言って、キャンディーを片づけ始めたおじいさんの顔は、少しさびしそうでした。

ポポロは首をかしげました。
おじいさんはいつも、いっしょうけんめいスチップキャンディーをつくっていたので、「ひとやすみしよう」と言うことはあっても、「やめようか」なんて言ったことはこれまで一度もなかったのです。

それにポポロは、

(おじいさんにナイショで、デパートで売ったスチップキャンディーがあるはずだ)

と思っていましたから、売り上げが落ちていることには気づいていませんでした。
「おじいさん、なにかあったの?」
ポポロはきいてみました。
するとおじいさんは、週刊誌をもってきました。
「これを見てごらん」


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eguchi
  • eguchi
  • 子どものころから30年間趣味で、動物が出てくる童話を書いている。2020年に動画をきっかけにブログを始める。
    猫大好き!子どもとネコカフェやカラオケに行くのが楽しみ。