なんでも屋のみけねこ-5

「わかりました。では、さっそく今日からうかがいましょう。けいやくは一か月にしておりますがよろしいですか?」
「うん! いいよ」
良太くんは、すっかりうれしくなりました。
「それではこちらに、サインと自宅までのかんたんな地図をおかきください」
みけねこが小さくたたんだ紙を広げました。
紙はやっぱりしわくちゃでしたが、良太くんはそんなこと気にしないで、自分の名前をかきはじめました。
絵は苦手だったので、地図はわかりにくくなってしまいました。
しかたないので口でせつめいすることにしました。

「そこの信号をまがって、自動販売機があって、ポストがあって……
「よくわかりませんが、近くにどんなねこがいます?」

「白いのと、茶色いのがいっしょにいるよ。おばさんに、コロとリキって呼ばれてる」
良太くんがいっしょうけんめいみけねこに話しているのを、近所のお母さんたちは不思議そうに見ています。
遠くからではみけねこは見えないので、ひとりでしゃべっているように思えるのです。
「それでしたら、三丁目五番地、佐藤さんのお宅ですね」
「ボクの家はとなりだよ。ねこはいないけど」
「西山さんですか……。それでは、お母さんはねこがあんまり好きではないようですね。町ではうわさですよ」

 




eguchi
  • eguchi
  • 子どものころから30年間趣味で、動物が出てくる童話を書いている。2020年に動画をきっかけにブログを始める。
    猫大好き!子どもとネコカフェやカラオケに行くのが楽しみ。