カレンダー王国と魔女の鏡-2

けれど、上半分の写真部分がちょっと変わっていました。
1月から12月まで、12枚の写真を使うのですが、そこには王国に住んでいる動物たちの家族写真を載せることになっていたのです。
毎年、31の家族の中から、12の家族が選ばれて、王様と王妃様立ちあいのもとに写真が撮られます。

この写真を撮るときにも、細かい決まりがありました。
必ず、家族全員がそろって、紺色のスーツを着て正装していなければなりません。
男の子はネクタイを、女の子は髪に花飾りをつけなければなりません。
並んで椅子に座って正面を向いていなければなりません。
足を組んだり手をあげたり、ポーズをしたりしてはいけません。
背すじを伸ばして、王様がいいと言うまで動いてはいけません。
王国の子供たちは、この毎年の写真撮影が大嫌いでした。
けれども大人たちは、写真を撮られる12の家族に選ばれたくてたまらないのです。
なぜなら選ばれた1年間は、特別扱いにしてもらえるからです。
カレンダー王国の伝統のカレンダーに選ばれた、12の家族を紹介した記事が、新聞や雑誌に大きく取り上げられ話題になります。
12の家族の子供たちは、学校や塾や習いごとまで、王国のタクシーが送り迎えしてくれます。

 



eguchi
  • eguchi
  • 子どものころから30年間趣味で、動物が出てくる童話を書いている。2020年に動画をきっかけにブログを始める。
    猫大好き!子どもとネコカフェやカラオケに行くのが楽しみ。