カレンダー王国と魔女の鏡-5

いつものように、自分の部屋の窓から王国の様子を眺めると、街の動物たちが王様に向かっておじぎをしたり、手をふってくれているのが見えました。
「そうだ。王国のみんなは、あんなピンクのカレンダーではなく、いつもの伝統あるカレンダーを待っているはずだ。何もあわてる事はない」
そう自分に言い聞かせました。
(こんなことで王女とケンカしている場合じゃない)と思いました。

街の動物たちは、伝統のカレンダーを見てきっと喜んでくれることでしょう。
そして、
「こんな立派なカレンダーを作ってくださるとはやはり王様は素晴らしいお方だ」
と評判になることでしょう。
王様はいつも出来上がったカレンダーを、街のみんなに直接手わたしたあと、わざわざ評判を聞くために街を出歩いたりするのです。
そこで良いことを聞くのが楽しみなのです。
「やっぱり、我がカレンダー王国にぴったりの王様ですね」
と言うものがいました。
「王様がいて下さるおかげで素晴らしい暮らしができております」
と言うものもいました。
街のみんなから、そんなふうに声をかけられて、王様はすっかりいい気分になって帰るのでした。

 

 



eguchi
  • eguchi
  • 子どものころから30年間趣味で、動物が出てくる童話を書いている。2020年に動画をきっかけにブログを始める。
    猫大好き!子どもとネコカフェやカラオケに行くのが楽しみ。