カレンダー王国と魔女の鏡-13

「王女のお前が、街の人たちの言葉を信用できんのか? そんなふうに、街の人たちがわざとちがうことを言っているなどと考えてはならん!」
「信用はしてるわよ」
「だいたいお前には、伝統あるカレンダーの良さがわからないのか!」
「私にだってわかるわ! おじいちゃんが決めたことだもの」
王女は伝統のカレンダーを広げました。
「黒い文字は誰もが見やすいように。家族写真は、いつまでもみんなが仲良く暮らせるようにって願いを込めて始めたのよね。それなのにパパったらそんなこと忘れてる。いつだって、自分の評判ばかり気にしてるじゃないの。私はそれが許せないのよ! みんなだって、パパに気に入られるために、本当の気持ちを言えないし、本当はそれぞれがカレンダーの大きさを変えたいって思っているはずなのに!」
2人が言い争っている間にも、魔女の鏡からは街の人たちの話し声が聞こえてきます。
「やはり伝統のカレンダーは、見ているだけでも気持ちが引き締まりますからね。さすが王様は良いものをお作りになられる」
「家族写真はいつもまっすぐな線のように良い姿勢で、見ていて気持ちがいいですね」
「これも王様のご指導と、写真撮影の腕前が良いからですよね」



eguchi
  • eguchi
  • 子どものころから30年間趣味で、動物が出てくる童話を書いている。2020年に動画をきっかけにブログを始める。
    猫大好き!子どもとネコカフェやカラオケに行くのが楽しみ。