フェルトねこのひなまつり-1
2021年2月15日
みいちゃんのおへやには、おひなさまがありました。
おだいりさま、おひなさまと三人かんじょの3段かざりでした。
みいちゃんが生まれたときに、おばあちゃんが
買ってくれたものです。
みぃちゃんは3歳になったとき、お店で8段かざりを見ました。
なんかいもお店を通るたびに、みぃちゃんは大きな8段かざりをすっかり気に入って、
いいな、いいな
と言うようになりました。
そこでお母さんは、フェルトで5人ばやしを作りました。
お母さんは、手芸が大好きでした。
フェルトでなんでも手作りするので、家の中には、お母さんの作ったぬいぐるみや小物がたくさんありました。
お母さんが作った5人ばやしは、きれいなきものをきて、楽器だってちゃんともっていました。
お顔はみいちゃんのすきなねこ にしました。
しろいお顔には、ちゃんとおけしょうもしてありました。
きれいにできたのでみいちゃんは大よろこびでした。
それから何年もたって、みいちゃんは小学6年生になりました。
友達が遊びにくる前の日に、
「もう、部屋にねこの5人ばやしは、かざらなくていいかな」
と思いました。
夕方、お母さんに
「もう 、フェルトねこも古くなったし、かざらないから片づけといて」
と言いました。
その夜…。
みいちゃんがフェルトネコのおひなさまをながめていると、どこからか話し声がします。