フェルトねこのひなまつり-9

5人ばやしは、みんな仲良くうたいはじめました。
その歌声は……いつのまにか、だんだんめざまし時計のアラームに聞こえてきました。

 

「みぃちゃん、入るよ」
ママの声でした。
「お友達が来るまえに、かたづけるわよ」

ママは、フェルトねこのおひなさまの前で、大きな袋を広げました。
「もう、片づけていいのよね。ねこの5にんばやし」
そう言いながら、フェルトねこたちを袋につめ始めました。

「あ、ダメ。 しまっちゃ!」
みいちゃんは急いで止めました。
「あら、きのうはしまっていいって言ってたじゃないの」
「もうちょっとかざるの!」

みいちゃんが、自分で袋からフェルトねこを取りだしたので、
「まぁ、みいちゃんがかざりたいのなら」
とお母さんも言いました。

みいちゃんは、フェルトねこたちを元の場所にかざりながら、みんなががんばって楽しませようとしてくれたことを思い出しました。

なにより、
『みいちゃんのために』

と言ってくれたことがうれしくて、くすっと笑いました。

そして、
「来年は、だれかがおだいりさまになってるかも」
そんなことを考えていました。

 

おしまい



eguchi
  • eguchi
  • 子どものころから30年間趣味で、動物が出てくる童話を書いている。2020年に動画をきっかけにブログを始める。
    猫大好き!子どもとネコカフェやカラオケに行くのが楽しみ。