ふぁーう村の村長さん-12

「たいへんだ! 明日までに新しい村の名前を覚えておかなくては」
村長さんは、長い長い村の名前を何度も紙に書いたり、声に出したりして、必死になって覚えようとしました。
けれど、もともと忘れっぽくて、のんびり屋の村長さんは、なかなか覚えられません。

とうとう一睡もしないで、朝になってしまいました。
玄関のチャイムが鳴りました。
王様のようです。
村長さんは、ふらふらしながら立ち上がりました。

ドアをあけると王様が立っていました。
「おはよう、村長さん。新しい村の名前は決まりましたかな?」
王様に聞かれて村長さんは、やっとのことで覚えた長い名前を伝えようと、口をあけました。
そのとたん、大きなあくびがひとつ。
(しまった ! )
と思ったときには、おそすぎました。
「そうか、やっぱりふぁーう村か」
王様はうなずいて、帰ってしまいました。
村長さんは、ポカンとしたまま見送りました 。

おしまい

eguchi
  • eguchi
  • 子どものころから30年間趣味で、動物が出てくる童話を書いている。2020年に動画をきっかけにブログを始める。
    猫大好き!子どもとネコカフェやカラオケに行くのが楽しみ。