おねがいレレア-12
2021年10月4日
いつもこわがるアイが、こんなことを言うなんて‥‥。
ミクちゃんは、しばらくポカンとしていましたが、
「あら、あたしはてっきり逃げ出したのかと思ったわ」
と、アイを見ました。
その時、
「あ、あ‥‥あ、アイの肩に、今、青白いものが‥‥」
ミクちゃんの顔が、みるみる青ざめていきます。
「え? どこどこ?」
ほかの女の子たちもアイの方を見ると、青白い光がパッと現れて、すぐに消えました。
「きゃーお化け!」
「本物のお化け⁉️こわい!」
未来ちゃんと友達は、あっというまに走って逃げていってしまいました。
これは、もちろんレレアでした。
アイ以外の人間には見えないレレアが、ミクちゃんをちょっぴりこらしめようと、ほんの少しだけ姿を現したのでした。
アイとレレアは、顔を見合わせて笑いました。「今日はありがとね、レレア。おかげですっきりしたよ。今、魔法使ってくれたんでしょ?」
そう言われて、レレアはハッとしました。
「あー!魔法!」
うっかり、魔法でにんじんを出して食べたことを、思い出したのです。
「どうしたの?」
「え? あー、なんでもない、なんでもない」
「ヘンなレレア。まぁいっか。うまくいったんだし」
「そ、そうそう! うまくいって、よかったよかった! もう、じゅうたん出して飛び回ちゃおうかなぁ」
「やっぱり、ヘンなレレア」