なぜシンデレラは許したのか?子どもは“やさしさ”をどう感じる?

なぜシンデレラは許したのか?子どもは“やさしさ”をどう感じる?

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『シンデレラ』は、世界中で長く愛されている物語です。

意地悪な継母や姉たちにいじめられながらも、

最後には幸せになる――。

そんなイメージを持つ人も多いでしょう。

けれど物語をよく読むと、

気になる場面があります。

それは、シンデレラが最後に、

自分を苦しめた人たちを強く責めないことです。

「どうして許せたの?」

「ひどいことをされたのに、怒らないの?」

子どもたちも、大人とは少し違う視点で、この場面を見ています。

この記事では、

シンデレラの“やさしさ”が、子どもにどう伝わっているのかを考えていきます。

 

📕シンデレラは「優しい人」として描かれている

シンデレラは、つらい毎日を送っています。

継母や姉たちに命令され、

掃除や洗濯ばかりの日々。

きれいな服もなく、

自分だけ仲間外れにされてしまいます。

それでもシンデレラは、

誰かを傷つけ返そうとはしません。

もちろん、本当は悲しかったでしょう。

悔しい気持ちも、怒りもあったはずです。

それでも物語の中でシンデレラは、

「人を憎み続ける人」

としては描かれていません。

この“やさしさ”が、

シンデレラという物語の大きな特徴になっています。

 

📘許したというより「同じ人にならなかった」

シンデレラは、

意地悪をされても、相手を苦しめ返そうとはしませんでした。

これは、

「全部を許して忘れた」

というより、

「自分まで意地悪な人にならなかった」

ということなのかもしれません。

もしシンデレラが、

最後に相手を見下したり、仕返しをしたりしていたら、

物語の印象は大きく変わっていたでしょう。

シンデレラは、

“つらい思いをした人だからこそ、同じことをしない”

という姿で描かれています。

そこに、この物語の“やさしさ”があります。

 

📙子どもは「かわいそう」と「すごい」を同時に感じている

子どもたちは『シンデレラ』を読むと、

「かわいそう」

「ひどい!」

と強く反応します。

特に小さい子ほど、

  • 仲間外れ
  • 悪口
  • 意地悪

に敏感です。

だからこそ、シンデレラが泣きながら働く場面に、強く感情移入します。

その一方で、

「でも、シンデレラはやさしい」

「怒らないのがすごい」

とも感じています。

子どもは、

“強く怒ること”だけが強さではない

と、物語を通して自然に受け取っているのです。

『シンデレラ』を読んだあとには、

「シンデレラはどんな気持ちだったかな?」

「どうして怒らなかったんだろう?」

「やさしいって、どういうことだと思う?」

などを話してみるのもおすすめです。

子どもによって、

  • 「許してえらい」
  • 「本当は怒っていいと思う」
  • 「かわいそうだった」

など、感じ方はさまざまです。

どれも、その子なりの大切な受け取り方です。

物語を通して、

“人の気持ち”を考える時間が、読書の楽しさにつながっていきます。

 

📕本当のやさしさは「弱さ」とは違う

『シンデレラ』のやさしさは、

ただ我慢しているだけではありません。

シンデレラは、

  • 人を傷つけない
  • 自分の夢を失わない
  • 優しい気持ちを持ち続ける

という“強さ”を持っています。

だからこそ、読んでいる子どもたちも、

「かわいそうな人」

だけではなく、

「心がきれいな人」

としてシンデレラを見ているのです。

やさしさは、弱いから選ぶものではありません。

つらい思いをしても、

相手を傷つけ返さない――。

そこに、本当の強さがあることを、

子どもたちは少しずつ感じ取っています。

 

🍀『シンデレラ』は「幸せになる安心感」がある

『シンデレラ』が長く愛されている理由の一つに、

「最後には幸せになれる」

という安心感があります。

つらい場面が続いても、

「きっと最後は大丈夫」

と思えるから、子どもも安心して読めるのです。

そして最後、シンデレラは幸せになります。

ここで大切なのは、

“誰かを負かして幸せになる”

のではなく、

“やさしさを失わなかったから幸せになれた”

ように描かれているところです。

だからこの物語は、

読み終わったあとに、あたたかい気持ちが残るのでしょう。

『シンデレラ』が描いているのは、

ただの“夢がかなう話”ではありません。

そこには、

「つらい中でも、やさしさを失わない」

という強さがあります。

シンデレラは、

自分を傷つけた人と同じようにはなりませんでした。

だからこそ子どもたちは、

シンデレラに、

“本当のやさしさ”

を感じるのかもしれません。

そしてその優しさは、

読むたびに、静かに心に残り続けているのです。

 

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eguchi
  • eguchi
  • 子どもの頃から創作童話を書き続け、童話を一冊出版。現在はnoteで創作童話を発表しています。物語の持つやさしい力を大切に、「読む力」と「考える力」が育つ読書時間のヒントを発信中です。