なぜネロとパトラッシュは最後にあの選択をしたのか?『フランダースの犬』が描いた、“いっしょにいる”という願い
なぜネロとパトラッシュは最後にあの選択をしたのか?『フランダースの犬』が描いた、“いっしょにいる”という願い
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『フランダースの犬』のラストは、
子ども向け作品の中でも、とくに強く心に残る場面として知られています。
雪の夜。
ネロとパトラッシュは、大聖堂の中で寄り添いながら静かに眠ります。
「どうしてあんな最後になったの?」
「もっと別の道はなかったのかな?」
読んだあと、そんな気持ちになる人も多いでしょう。
けれどこの物語は、ただ“悲しい結末”を描いているだけではありません。
そこには、
「最後まで、大切な相手と一緒にいたい」
という、強い願いが描かれているのです。
この記事では、
『フランダースの犬』が今も読み継がれる理由を、
子どもの感じ方とあわせて考えていきます。
📕ネロにとってパトラッシュは「家族」だった
ネロは、とても貧しい暮らしをしていました。
両親を亡くし、祖父と二人で生活しながら、
牛乳運びの仕事を手伝っています。
そんなネロのそばにいたのが、犬のパトラッシュでした。
パトラッシュもまた、つらい経験をしてきた存在です。
重い荷物を運ばされ、苦しんでいたところを、
ネロに助けられました。
それ以来、二人はいつも一緒になります。
遊ぶときも、働くときも、苦しいときも――。
ネロにとってパトラッシュは、
ただの“飼い犬”ではありませんでした。
心を分かち合える、たった一人の家族だったのです。
📘最後まで一緒にいたかった気持ちが描かれている
『フランダースの犬』の終盤では、
ネロは次々に苦しい出来事に直面します。
周囲から誤解され、
大切な人を失い、
居場所もなくなっていきます。
そんな中でも、パトラッシュだけはネロから離れません。
これは、
「助けてもらった恩返し」
というだけではないのでしょう。
パトラッシュは、
ネロと一緒にいたかったのです。
そしてネロもまた、
最後の瞬間までパトラッシュを求めていました。
この物語には、
「苦しくても、一人にはなりたくない」
という、人の深い願いが描かれています。
📙ルーベンスの絵は「生きたかった気持ち」を表している
ネロは、絵を描くことが大好きでした。
とくに、ルーベンスの絵に強く憧れています。
それは単なる“有名な絵”ではありません。
ネロにとってルーベンスの絵は、
- 美しい世界
- 夢
- 希望
- あこがれ
そのものだったのです。
だから最後の夜、
ネロはどうしてもその絵を見たかったのでしょう。
もし本当にすべてをあきらめていたなら、
大聖堂へ向かうこともしなかったかもしれません。
ネロは最後まで、
「美しいものを見たい」
「夢を感じたい」
という気持ちを持ち続けていました。
そこに、この物語の切なさがあります。
📕子どもは「最後まで一緒だったこと」を強く覚えている
大人は『フランダースの犬』を読むと、
- 貧しさ
- 社会の冷たさ
- 理不尽さ
に目が向きやすくなります。
けれど子どもたちは、少し違う受け取り方をすることがあります。
とくに印象に残りやすいのは、
「パトラッシュが最後までそばにいた」
という部分です。
子どもは物語の中で、
「一緒にいること」
「離れないこと」
そのものを、愛情として受け取っています。
だからこそ、悲しい結末なのに、
「かわいそうだった」
「でも、一人じゃなくてよかった」
という感想を持つ子も多いのです。
『フランダースの犬』を読んだあとには、
「パトラッシュはどんな気持ちだったと思う?」
「ネロは最後に何を見たかったのかな?」
「一緒にいてくれる人って、どんな存在?」
などを話してみるのもおすすめです。
悲しい物語だからこそ、
子どもの感じたことが、そのまま表れやすくなります。
答えを決めつけず、
「そう感じたんだね」
と受け止めることで、
子どもの“人の気持ちを考える力”も育っていきます。
🍀『フランダースの犬』は“そばにいる優しさ”を描いた物語
『フランダースの犬』は、
読んでいて胸が苦しくなる作品です。
それでも長く愛され続けているのは、
この物語が、
「誰かと心を通わせること」
を、とても丁寧に描いているからでしょう。
大きな力で助けることはできなくても、
- そばにいる
- 一緒に悲しむ
- 離れない
という優しさがあります。
ネロとパトラッシュは、
お互いの存在によって、孤独の中でも心を失わずにいられました。
その姿が、読む人の心に残り続けているのです。
『フランダースの犬』が描いていたのは、ただの“悲劇”ではありません。
ネロとパトラッシュが最後に願ったものは、
「最後まで、大切な相手と一緒にいたい」
という、とても静かで強い願いです。
ネロとパトラッシュは、
苦しい世界の中でも、お互いを失いませんでした。
だからこの物語は今も、
読む人に、
「そばにいてくれる存在の大切さ」
を、静かに伝え続けているのです。
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